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吉野林業見学③大橋式作業道の山

吉野の地で大橋式作業道を高密度に入れていることで有名な清光林業の山を訪ねた。

案内をしてくれたのは、清光林業社長の岡橋清元さん。会社・個人あわせて、1900haもの山林を持つ。

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今回お邪魔したのは川上村の中心部に近い14haの山。100年生超のスギが整然と立ち並ぶ山に、幅2.5mの作業道が入っている。

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吉野では1970年ごろからヘリコプターによる集材がはじまり、現在ではそれが80%を占めるに至った。ヘリ集材は架線集材にくらべ作業期間の大幅短縮化など利点が大きいが、逆に経費はかさみ(2~3万円/㎥)、採算の関係から見直しが必要だった。

清光林業では、作業道を開設してトラックによる集材を選んだ。トラック集材は経費5000円/㎥といわれている。ヘリに比較し格安である。

岡橋さんが選択したのが、作業道開設の第一人者・大橋慶三郎氏の大橋式作業道。航空写真や地形図を参考に、最後は実際に歩くことでルートを決め敷設する。獣道も考慮にいれる。

その特徴は、路盤を丸太で補強すること、排水をゴムを使い路上を通すこと、など。

これで頑健な作業道ができるそうで、グラップルでの作業も容易となる。200m/haと高密度なので効率もいい。

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最後に車に乗せてもらい作業道を下った。いくぶん勾配が急だったり、カーブがきつすぎるように思われたが、そのほうがスピードが出ないので安全なんだという。幹線は急勾配、ヘアピンカーブがあっても、絶対に崩れない場所に道をつけるそうだ。

これからの林業を考えると、なんといっても低コストでの出材が大事となる。おのずと作業道の重要性がクローズアップされる。

(かんから)

吉野林業見学②吉野杉

吉野材センターを見学した。この一帯は吉野貯木場とよ、る。かつての筏流しの中継地だ。現在は60の製材工場が集まっている。それぞれ取り扱い品目がちがい、「スギ屋さん」「ヒノキ屋さん」などと呼ばれているそうだ。

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吉野杉(材)の特徴は、①色(赤み=淡紅色が多い)、②年輪幅がつまっているの2点に絞られる。それが値に直結するそうだ。

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つづいて隣接する原木市場を見学した。市が終わったばかりとのことだった。まず、吉野林業の主役・スギの説明を受ける。

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下の写真の材は、樹齢120年、直径52cm。川上村の産で、伐採後4ヶ月葉枯らしして乾燥・渋抜き。ワイヤー集材された。値は8万円/㎥。長さ8m、材積2.333㎥なので、18万円強となる。昭和56年ごろは50万円/㎥ついていたそうなので、116万円ということになる。ずいぶん値が下がったものだ。ちなみにこの木、赤みは大きいのだが、左下部分がやや白く、それで若干値を落としているという。

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1500年代から造材の歴史がある吉野。蜜植、多間伐、長伐期という独自の方法で「吉野杉」というブランドを育ててきた。学ぶことは多い。

(かんから)

吉野林業見学①磨丸太生産の山

NPO法人共存の森ネットワークが主催する「森の名手 名人フォーラム」に参加した。昨年の木曽に続き、今回は吉野(奈良県)である。

事情があって初日(11月21日)は夕方からの合流となったため、2日目からのことを報告したいと思う。

最初に訪問したのが、奈良県指導林家・上田善嗣さんの山。そこは、人家のすぐ近く、田んぼの奥にあった。遠目にも「なんだか凄い山だな」と感じた。

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細いスギがかなり高くまで枝打され密集している。面積1.2ha.。ヘクタール当たり1万本植える。ほとんど間伐はしないということなので、ほぼそのまま残っているのではないだろうか。すべてセンゾクシバハラという種で磨丸太に仕上げられる。磨丸太は住宅の和室の床の間や茶室・数奇屋造りなど純和風建築、ほかには旅館や料亭などに使用されるものだ。なぜ間伐しないかというと、目が粗くなるから。

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見学した山は11年生の山で、2~3年後に出荷するつもりだという。1m間隔で植栽されている。

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磨丸太にとって重要なのは節がなく通直であること。そのために枝打はかかせない施業で、はじめは毎年、その後も2年に1回は行なうそうだ。枝打後の巻き込みが大きくならないよう、枝が細く柔らかいうちに落とすのが基本だという。

7mまで枝打してあるので、一本から3mの丸太が2本取れる。こういう木を使った家のニーズは大きいのだが、残念ながらこういう木をこなせる大工が少なくなっているそうだ。

使用するのはカマ。一回に1mから1.5m打つ.強すぎて木の成長を鈍らせることになるので施肥を行なう。

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上の写真のように皮が剥がされているのはシカの食害である。最近はシカが異常に増えているそうで、荒らされることが多い。

上田さんの山の最大の特徴は小面積・高集約だ。1.2haの山に700mの作業道が入り、また家からも近いので家族だけでの経営が可能となっている。檜原にはまったくないタイプの山だ。

(かんから)

研修旅行①~奥穂高岳登山

10月8日夜、相模湖インターから中央道に乗り、一路信州・松本へ向かう。5泊5日の研修旅行の始まりである。

上高地への出発地・沢渡Pで車中泊。缶ビールを開ける。Kくんが携帯をトレイに落下、没する。缶ビールを開ける。このときの飲みが一番おもしろかったとの説もある。

翌日、上高地から登山開始。晴天。7時間歩いた先の涸沢ヒュッテが本日の目的地である。けっこうへとへとになった(私は)。涸沢にテントを張り、ビールとカレー。さらに酒ですっかり夜も更けた。

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秋の研修旅行へ行く

9日から13日の5日間、チェンソーズの秋季研修旅行があった。前半の11日午前中までが奥穂高登山。後半が木曽での「森の名手・名人フォーラム」出席である。

盛りだくさんの日々であった。詳細は追って記述するが、きょうは、多くの人との出会いがあった「森の名手・名人フォーラム」について概要だけだが報告する。

同フォーラムはNPO法人共存の森ネットワークが主催するもので、木曽・上松(長野県)を中心に2泊3日で行なわれた。

初日は同NPO法人理事長で作家の塩野米松氏の基調講演のほか、映画「信州木曽あげまつ サワラの木工芸」上映、木工職人を囲んでのパネルディスカッションなど。

2日目は赤沢自然休養林見学、育林・造林で森の名手・名人に選定されている巾崎理一氏と作家・浜田久美子氏・東北森林管理局・葛西陽介氏での座談会。夜は上松・小川地区の住民によるかつての木曽谷の暮らしについての語りなど。

最終3日目は2コースあって、ひとつはヘギ板職人・小林鶴三氏の工房見学と亀甲網代作り。もうひとつは上松土場見学と巾崎氏の山林の見学。

参加者は学生を含め70人を超えた。日中は上記のプログラムをこなし、夜は酒を飲んでの語り合いと、かなり充実した日々であった。

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